干し芋作りに適したさつまいもは?お芋の種類や違いについて

干し芋はさつまいもを蒸したり焼いたりした後干して作るという、非常にシンプルな作り方の食べ物です。

何の味付けもしなければ、調理の際に複雑な工程もありません。

そのため、干し芋の美味しさは当然ながら材料であるさつまいもの美味しさに大きく左右されます。

なので、上手に美味しい干し芋を作るためには、さつまいもの特徴や美味しい芋の見分け方なんかをある程度知っておくのも大事だと思います。

さつまいもと一言に言っても、かなりの種類があり、干し芋以外の食べ方をした方が美味しい芋なんかもあったりします。

今回は、さつまいもの種類や特徴、そして干し芋に適したさつまいもはどれなのか、見てみたいと思います。

スポンサーリンク

干し芋を作るのに適したさつまいもは?さつまいもの種類と特徴

さつまいもってどんな芋?

ところで、「さつまいも」ってどんな芋なんでしょうか?その原産は中南米と言われており、長い年月をかけて中国へ伝わり、その後、中国から沖縄へ、そして沖縄から九州へ伝わってきたとみられています。

九州の薩摩の地域でさかんに栽培されたことから、日本では「薩摩のイモ」、「さつまいも」、という風に呼ばれるようになったのです。沖縄などでは中国(唐の国)のイモ、ということで「唐芋」、と呼ばれていたり、九州では甘藷と呼ばれていたりします。

さつまいもの由来についてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ
さつまいもの由来 名前について。甘藷や唐いもとは同じ?

干し芋を作るのに適したさつまいもは?

さつまいもの種類と特徴

普段スーパーとかでさつまいもを買うとき、そんなに種類は気にしないかもしれませんよね。

最近多く売ってるのは、紅あずまとか、紅はるか、シルクスイートなんかではないでしょうか。値段が少し高めな安納芋なんかを買うときはちょっと品種を意識するかもしれませんね。

でも、一口にさつまいもと言っても、その他にいろんな種類があるのをご存知でしょうか?

まず、簡単にさつまいもの種類についてみてみたいと思います。

さつまいもは、食べた時の食感で分けると、しっとり系、ほくほく系、ねっとり系の3種類に分けられます。

しっとり系とねっとり系は結構似ているので、ざっくり言えば、しっとり・ねっとり系と、ほくほく系の2種類と言えるかもしれません^^!

しっとり系のさつまいも

しっとり系のさつまいもは、水分が多めで甘みが強くて蒸したり焼き芋にしたり調理すると、しっとりした触感になる芋です。

ねっとり感はそれほど強くありませんが、水分が多いので「しっとり」という表現がぴったりという感じです。

品種で言うと、紅まさり、シルクスイート、ひめあやか、などがこれにあたります。このしっとり系のさつまいもも、割と干し芋を作るのに適していると思います。

ホクホク系のさつまいも

ホクホク系のさつまいもは、水分が少なめで、甘みもそれほど強くなく、可なり入念に蒸してもホクホクしてます。

代表的なのは、最近最も多く流通している「紅あずま」でしょう。昔ながらのさつまいも、という感じかと思います。

品種的には、紅あずまの他には、紅こまち鳴門金時高系14号(鳴門金時の原種)紅こがねなどがこれにあたります。

このほくほく系のさつまいもは、干し芋にはあんまり適してないかな、と思いますが、さつまいもとして食べるにはさっぱりしていて、大変美味しいです。

ねっとり系のさつまいも

ねっとり系のさつまいもは、水分が多めかつ、粘質(麦芽糖なんだそうです)が強いため、蒸すと大変ねっとりして、甘みも強く、羊羹みたいな食感になる芋です。

品種としては、紅はるか、安納芋、紅天使、甘太くん、などがあたります。

特に、紅はるか、は、秋の後半から冬にかけて多く出回るようになりますが、それほど値段も高くなく、しかもねっとり感と甘さが半端ないお芋で、干し芋には大変適しているさつまいもだと思います。蒸してから適度に干すと、羊羹みたいなしっとり感と、栗のような風味とコクが出て大変美味しいです。

上にあげたのは、代表的なさつまいもです。さつまいもはこれらの他にもかなりの種類があり、(その地域だけしか売ってないものなどもあったりします)、国内で流通しているさつまいもの種類は30以上あるとも言われています。

道の駅とか、産直の販売所なんかに行くと、珍しいさつまいもが売ってたりするので、試してみるのも面白いですよね。

干し芋に適したさつまいもは?

干し芋として最も多く使われている品種「玉豊」

上述の通り、さつまいもって、ホントにたくさんの種類がありますが、実は一般的に販売されている干し芋の材料になっているさつまいもは、さつまいもそのものの形ではほとんど売られていません。
(かなり探しましたが一件だけ直販している農家さんを見つけることが出来たものの、すでに売り切れになっていました涙。。。)

干し芋に最も使われているサツマイモの品種、それは、玉豊という品種なんだそうです。

干し芋は、茨城県が最も生産量が多く、全国の生産量の9割が茨城県なんだとか。明確な統計資料が見つけられませんでしたが、この干し芋の生産量からすると、玉豊という品種はほとんどが茨城県で生産されているんだと思います。

なので茨城県(特に常陸那珂市)に行けば手に入るんじゃないかな~、と思ったりします^^

私も写真でしか見たことがなく、実物は見たことがまだありません。

その辺では売ってないんですよね^^;・・・

スポンサーリンク

このさつまいも、生のさつまいもとしては市場で流通していないようです。

普通の食べ方で食べてもそんなに美味しくないのかもしれません。

ネットでいくら検索しても、販売している業者が出てきませんし、直販で販売している農家さんも全く出てきません。

栽培しやすく、収穫量が多い芋、ということで干し芋として加工するために栽培されているんだと思います。

さつまいもそのもので売るより、加工品として売ったほうが利益になるのでできるだけ生では売らないようしているのかもしれません。

種芋としての販売は若干ながら見つけることが出来ましたが、ちょっと割高だし大量じゃないと購入できなかったので買うのはやめておきました^^;

茨城へ旅行などで行ったらきっと地元の産直販売などで売ってるんじゃないかと思うので、そのうちこの玉豊を手に入れて干し芋作りを試してみたいと思います^^!

干し芋として適しているさつまいもはどれ?

では、普通に入手できるさつまいもの中で、干し芋に適しているのはどの品種なのか比べてみます。

「紅あずま」

まず、最近スーパーで最も多く売っている品種の、「紅あずま」

でも、干し芋を作る材料としては、ほくほくしているため若干崩れやすいし、乾きやすくて乾くとパサパサになりがち。

干し芋としてはちょっとイマイチかなー、という気がします。

この紅あずま、お芋として食べる分にはほくほくしていて非常に美味しいです。控え目な甘さで食べやすいですよね。

ただ、こういう甘さ控えめのお芋の干し芋が好き、という人もいるので、好みもあると思います。あくまで私の見解です^^!

「紅はるか」

個人的には普通にスーパーで売ってるさつまいもの中で干し芋に適していて、そして、値段も手ごろな品種は「紅はるか」じゃないかと思います。

じっくり蒸すと、かなりしっとりねっとりした感じの仕上がりになります。

これを天気の良い日に2日くらい干すと、出来上がった干し芋はしっとりねっとり、そして甘さも半端なく大変美味しいです。

甘い味付けをした栗みたいな風味がします。

紅はるかは、上述の通り、ねっとり系のさつまいもに分類されますが、麦芽糖を多く含むことからかなり粘度が高く、また甘さも強めです。

干し芋にすると味がしっかりするのと、しっとりしていてなおかつ、歯ごたえ、食べ応えがある出来上がりになるので、非常に美味しい仕上がりになります。

しかも、割と当たり外れが少なくて、普通にスーパーで売ってるやつを買ってくれば大抵美味しいのと、大きさが手ごろなことが多くて、非常に蒸しやすくて干し芋を作りやすいことが多いです。

というわけで!

私としては、「紅はるか」が、干し芋用のさつまいもとしては、最優秀じゃないかと思います!

「シルクスイート」

あと、最近スーパーでよく見かけるさつまいもの品種としては「シルクスイート」があげられますよね。このシルクスイートも、紅はるかと同系のしっとり・ねっとり系のイモに分類され、干し芋にしても大変美味しいさつまいもです。

名前の通り、シルクのようなきめ細かさで、甘みの強いさつまいもです。

ただ、この品種は割と最近出てきた品種のようで、紅あずまと比べると、若干値段が高いのがネック。

栽培する人が増えてくれば、値段も下がってくると思いますのでしばらく我慢、という感じですかね!

「紅ゆうか」

あと、あまり一般的なスーパーでは見かけないのですが、「紅ゆうか」という品種があります。

じっくり蒸すと、そのねっとり感や甘さが、紅はるかにかなり似た感じの品種です。

干し芋にすると紅はるかと同じく、ねっとり、しっとり感が高くて非常に美味しいです。

あまり一般的に売ってないのがネックでしょうか。

でも甘さが強くてねっとりしていて大変美味しいので、ねっとり系のさつまいもが好きな方は見かけたら是非お試しください!

と思ったら、、、この記事を書いた後に、再度よく調べたところ、この紅ゆうか(漢字では「紅優甘」)という品種は、紅はるかを、茨城県のJAが商標登録したものなんだそうです。なんかよく分かりにくいですが、、、

つまり、中身は紅はるかと同じということになります。道理で紅はるかと同じような味と食感だと思いました。

ちなみに、この「べにゆうか」、漢字で書くと「紅優甘」。これだと、紅はるかとも読めそうな気がするのですが、色々調べると、正しくは「べにゆうか」のようです。

ということで、紅ゆうか=紅はるか。どちらも美味しいです^^!

【関連記事】

美味しいさつまいもの見分け方について詳しく知りたい場合はこちらの記事をどうぞ!

美味しいさつまいもの見分け方。買っちゃいけないさつまいもの見分方

まとめ

いかがでしょうか。

干し芋づくりに目覚めたら、その材料のさつまいもについても、少し知りたくなって調べてみているところです。

まだまだ書き足りないところが多々ありますので、徐々に文章を書き加えていきたいと思います。

これからの季節、さつまいもが安く、沢山出てくるようになりますので、今年も干し芋づくりを始めたいと思います^^!

以上ご参考になれば幸いです。

ありがとうございました。

【関連記事】

干し芋に関して書いた記事のまとめです。

⇒干し芋作りまとめ。作り方、カロリー、さつまいもの種類、道具など

スポンサーリンク