住宅ローン金利の変動と固定の違い。どちらを選べばよいの?

住宅を購入するときに利用する住宅ローン。

色々な銀行が色々な商品を出していて、どれがいいのか迷ってしまいますよね。

今回は住宅ローンにおける変動金利と固定金利についてその違いを見てみたいと思います。

また、一般的に言ってどちらを選べばよいのか、私なりの意見をご説明させていただきます。

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住宅ローンの金利の変動とは?

金利とは?

金利というのはお金を貸し借りするときの利息の計算の根拠になる数字です。

日本をはじめ世界中に金利が取引されている金融市場があり、色々な期間の金利が日々取引されています。

たとえば1年物金利というのは、取引をスタートするときに1年間金利を固定で計算することを意味しています。

100万円を1年間の金利でやり取りすると、借りた方の人は100万円×1%の1万円を足して、101万円を1年後に返済しなくてはなりません。
(正確にはもう少し細かい利息の支払いルールがあるのと、実際には元本の100万円をやり取りせずに利息だけのやり取りをするのですが、分かりやすくするため一旦簡易的に説明します)

金利には、1日物金利、2日物金利、、、、7日物金利、2週間、3週間、1か月、2か月、3か月、6か月、1年、2年~10年、、20年、、と色々な期間の金利があって市場でやり取りされています。

一般的には固定金利というのは、1年物の金利以上の金利のことを指しており、変動金利というのは1年未満の期間の金利のことを指しています。

変動金利型の住宅ローンとはどういうものなの?

住宅ローンの変動金利タイプというのは、一定期間ごと(6か月が多いですね)に、見直しのタイミングで市場に連動して金利を見直す、というものになります。

これは、毎月の返済額が住宅ローンを借りた時点で決まっているのは最初の6か月間だけで、あとの残りの期間はいくらの金利で借りることになるのか分からない状態でお金を借りることを意味しています。

元利均等返済の計算を行ってみるとわかりますが、変動金利タイプの返済方法では金利が途中でちょっと上がっただけで、返済額が急に増えてしまうので注意が必要です。
(元利均等の返済方法はエクセルで簡単に計算することができます。また別途ご説明します)

変動金利の本質

変動金利というのは、その名の通り、変動する金利であり6か月後のことは誰にも分かりません。

何かが起こって6か月後に金利が急上昇していたら、変動金利の住宅ローンならその時点の金利で再度返済額が計算しなおされてしまいます。

もう長いこと金利が上がるということがなく、金利は低いものだ、という認識が浸透してしまっていますが、そういう状態で一度何らかのショックがおこると歯止めがきかない可能性も考えられます。

金融市場で何か大きな変化があったときに一番影響を受けるのは短期の変動金利なので注意をした方がよいです。

変動金利が上昇することはあるの?

マーケットのことは予想することは難しいのですが、ずっと金利は上昇するだろうとか、日本は破綻するだろう、なんてまことしやかに言う人もここ何年かいましたが、なんだかんだ言ってもここ20年近く結局金利はずっと上がりませんでした。

ですので、もしかしたらこれからもずっと上がらないかもしれません。

これは、日本の経済力というものが評論家の想像以上に強かったということのあかしだと思います。

ただ、今現在、過去の歴史から見て、金利が異常なまでに低い状態にあることはよく認識しておく必要はあると思います。
(変動金利の住宅ローンだと金利が0.5%以下のものがありますよね)

変動金利の住宅ローンを組んで、この金利水準で返済額が結構きついという収支を前提にしてしまうと、かなり危険だと思います。

もし、やっぱり低い金利で得したい、という方の場合でも多少金利が上がって返済額が増えたとしても余裕がある資金計画を立てられることをおすすめします。

住宅ローンの金利の固定とは?

固定金利の住宅ローンというのは、変動金利より分かりやすいですね。

固定した期間は金利が変わらず、ずっと返済額が同じです。

ただ、注意が必要なのは、35年でローンを組んで、最初の10年とか15年だけ固定金利という、「固定金利特約型ローン」というやつです。

これは、変動金利と固定金利のあいのこみたいなものですが、最後まで返済額が同じではない、という意味では変動金利と同じで、その期間が終わったらその時の金利で再度返済額が計算しなおされます。

そのため固定期間が終了したときに、金利が上がってしまっていたら、高い金利で返済額が計算しなおされることになり、場合によっては大幅に返済額が増えてしまう、ということもあり得るため注意が必要な商品です。


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変動金利と固定金利どちらを選べばよいの?

金融関係の会社などに勤められていない限りあまり金融市場などというものについては、なじみがないかもしれませんが、現在の日本は金融市場が異常な状態にあると考えられています。

そして、その状態がもう10年近く(見方によっては1990年代のバブル崩壊後20年以上)続いているのです。

日銀の異次元緩和策というのを聞かれたことがあるかもしれませんが、現在、日本は中央銀行である日本銀行が過剰なまでに金融市場への関与を強めた状態にあり、それによってなんとか安定を保っている状態なのです。

どのぐらい異次元なのかというと、もう想像を絶するほど異次元です。人類史上例がないくらいの異次元振りというオペレーションを日銀はもう何年もやり続けているのです。

ちょっとしたバランスで想像以上の変化が日本経済に起こる可能性もあり得ると考えておいた方が良いと思います。

そして、住宅ローンの期間というのは非常に長い期間になるので、ご自身の生活環境にも予期せぬ変化とかがおこる可能性もありえます。

こういった外部的な環境の要因と、自分自身の変化の可能性などを考えて、私自身の経験からくる意見としては、住宅ローンの金利というのはできるだけ長い期間の固定金利(できれば最後まで固定の超長期固定金利物)で組んだほうが良いと思います。

かつ、これは金利とは関係ないことですが、返済額にかなりの余裕を持たせる資金計画にすることが重要です。

もし、返済額に余裕がないのであれば、それは物件がやや高望みしすぎ、でローンが過大、または、自己資金が足りず余裕がなさすぎ、など少し無理をしていることを意味していると考えたほうが良いと言えます。

まとめ

長い人生で住宅ほど大きな買い物は他にないと思います。

住宅ローンも恐らく人生で一番大きな借入になると思いますので、それだけリスクを負っている、という点をよく理解する必要があります。

家を買うときというのは、ある種の高揚感につつまれているので、ついつい高くて良い物件に目移りして背伸びしてしまいがちですが、資金計画・返済計画をしっかりつくってその範囲の中で良い物件を探すようにしましょう。

そして住宅ローンについては、変動金利で組むより少し高いな、と思うかもしれませんが、固定金利でローンを組むことほうが結果的に計画が立てやすく、色々な面で安全だと思います。

以上ご参考になれば幸いです。

ありがとうございました。

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