マイホームを持つことは普通の人にとって夢の一つですよね。
人生で最も大きな買い物ともいえる住宅ですが、購入するときに多少無理をしてローンを組んでしまいその後状況が変化したことで支払いがきつくなってしまった、というケースが結構あります。
今回は、住宅ローンの支払いがきつい又は払えない、という場合にまずやるべきことなどを考えてみたいと思います。
住宅ローンが払えないとどうなるの?
住宅ローンが払えなくなると、残念ながら最終的には家を失うことになってしまいます。
ただ、前もって色々準備することができれば、その後の人生の立て直しにも大きな違いがでてくる、ということが言えるため、是非この記事をご参考にしていただけたら幸いです。
住宅ローンとは?住宅ローンの基本的な仕組み
一般的な人にとって、住宅というのは年収の何倍にもなる買い物です。
若い時から貯蓄が好きで貯金が沢山ある、親からの遺産がある、宝くじで大当たりした、、事業で大成功した、、、等々何か特別な理由があれば別ですが、現金で家を購入できる人というのはそんなにはいないでしょう。
ですので、まず、住宅というのは自分の収入を超える買い物である、というところを理解しないとならないと思います。
自分の収入を大きく超えて買うために金融機関からお金を借りて買ったものである、という点をよく理解すべきです。
お金を借りて買ってるのですから、当然借りたお金を返せなければ家は自分のものにはなりません。
昔の住宅事情と現代の住宅ローン
昔(戦前)は住宅というのは、賃貸が一般的でした。
自分の収入の範囲の中で身の丈に合った家賃の家を借りて生活する、、これが一般的な人々のくらしだったのです。
それが、戦後の日本では経済を盛り上げる政策として個人に住宅を買わせるために、長期で個人にお金を貸す仕組みを国を挙げて作り上げたのですが、これが住宅ローンです。
住宅ローンの注意点:元利均等返済方式
普通に考えると、個人で何百万、何千万、というお金を借りるなんて恐ろしくてできませんが(事業を行う場合は別ですが)何故か住宅の場合にはあまり抵抗なく借りてしまうのが一般的ですよね。
これは返済の期間を何十年という長期で組むことで、毎月の返済額が小さく見せ、借りる抵抗を少なくしているためです。
家を買うとき、「このくらいの返済額なら今の家賃と同じくらいですから大丈夫ですよ」、と不動産屋や金融機関から言われませんでしたか?
住宅ローンは元利均等返済、という計算方法で支払額を一定にしています。この元利均等返済の注意点は、最初のうちは殆ど金利しか払ってない、という点です。
そしてこの計算方法の注意点は、返済期間を長くすればするほど借りた借金はなかなか減らない、というところです。借りる時に返済スケジュールをよく確認して何年返済したら元本がいくらへるのか、よく見ておくことが重要です。
住宅ローンが払えないと?
あなたの家は所有権はあなたになっていますが、住宅を購入したときに、金融機関が「抵当権」というものを住宅につけています。
この抵当権がついているうちは、実際にはあなたのものではないのです。
抵当権というのは担保権と呼ばれる債権で、借りたお金を返さなければ、金融機関はこの抵当権を行使して家を処分してしまうことができるのです。
そのため、毎月の返済を滞りなく支払っていかなければ、最終的に住宅ローンを借りている金融機関が家を売却して、ローンの返済にあてることになります。
住宅ローンがはらえないと最終的にどうなるの?
さらに問題なのは、金融機関が抵当権を行使して家を売却したときに、売却代金で残りの住宅ローンを返済しきれなかった時です。
この場合、残りのローンはさらに返済を続けなければならないことになります。
家を失ったうえに、まだローンが残っている、という困った状況になる可能性があるのです。
住宅ローン支払いがきついときは
まずは、ご家族で話し合いましょう。
家を買ったときに考えていた状況に変化が出たりして返済がきつくなる、ということは往々にしてあることです。
勤めていた会社の業績が悪くなって給料が減った、思っていたほど給料が増えなかった、けがや病気で会社を休職や退職した、など長い人生色々なことがあるのですから、変化があったときにはそれに合わせていかなければなりません。
何らかの理由で月々の支払いがきついと感じるようになった場合、まずやるべきことは、住宅ローンの残りの残高の確認です。
場合によっては家を売却してローンを返済した方が良い場合もあります。
そのとき、住宅ローンの残高がいくら残っているのかは非常に重要なポイントです。
そして、次にやるべきことは、毎月の収支を見直して、無駄な支出がないか確認することです。
そして、もう一つ出来るだけやっておいた方が良いのは家の価格の調査です。
周辺の売買事例やチラシなどをチェックして家を売ったらいくらぐらいになるのか、相場観を持つようにしておいた方がよいです。
切羽詰まってしまうとこういうことに気を回す余裕がなくなってしまいます。
住宅の価格というのは、残念なことですが、新築後2~3年間が大きく価格が値下がりし、その後下落のカーブが緩やかになりながら徐々に値下がりし、最終的には土地の価格に近い価格に収れんしていく傾向があります。
ですので、特に新築住宅の場合には、買った瞬間に買った価格以下になっていることが多いのです。
正確な価格というのは実際に売りに出してみないと分かりませんが、ある程度の相場観格を持っていないと、いざ処分しようとしたときになかなか売れずに時間がかかってしまう→あせって必要以上に安く売ってしまう、ということにつながります。
また、もし貯金等がある場合には、住宅ローンを一部前倒しで返済する繰り上げ弁済を検討したほうがよいでしょう。
返済期間を変更しない繰り上げ弁済をすると、毎月の返済額を減らすことが出来ます。
よほどの運用商品などでない限り、住宅ローンの金利以上の運用利回りの商品はありません。
状況にもよりますが、あきらめて住宅ローンの返済に回した方が有利であるケースが多いです。
基本的には、①奥さんにパートで働いてもらうことなどの方法で収入を増やす、②何らかの支出を削る、この二つのうちどちらかしか根本的な解決方法がないことは認識しておく必要があると思います。
住宅ローンの支払いができないとき
住宅ローンの支払いができない、というときには、延滞してしまう前に金融機関へ返済額の減額の相談をしにいきましょう。
金融機関は個人保護の観点からそういった相談には応じなくてはならないことになっており、
また、同時に早めに弁護士に相談しておくこともおすすめします。
住宅ローンの支払い延滞する前にやるべきこと
住宅ローンが払えない時:延滞してしまう前にやっておくべきことは?
住宅ローンの支払いきつい、できない、と感じた場合、延滞してしまう前にやっておくべきこととしては、上記にもあげましたが、借りている金融機関へ返済額の減額の相談をしにいくことです。
一旦延滞してしまうと、返済金額の減額などの相談には金融機関側は応じにくくなってしまいます。
また一旦延滞してしまうと、支払いが雪だるま式に後へ後へと溜まって増えていくので、元に戻すのは中々困難だと思います。
延滞する前に金融機関へ相談しに行くのと同時に、弁護士などにも相談しておくことをおすすめします。
住宅ローンが払えない時:絶対にやってはならないことは?
そして、絶対にやってはいけないのは、住宅ローンの支払いを守るためにカードローンなどを使うことです。
金利の高いカードローンで住宅ローンの返済を行うと、絶対にカードローンが返済できなくなるのと、後々の生活の立て直しにも悪影響が出てしまいます。
住宅ローンが払えない:今後の生活を考えて覚悟を決める
また、次の展開としては覚悟を決めて家を処分してローンの返済に充当していくケースもあり得ます。
住宅ローンにおいて、上記のカードローンを使うことの次に避けたいのは、延滞が長引いて金融機関が強硬手段に出てくることです。
延滞が長く続くと(一般的には3~6か月)金融機関が競売という手続きで家を処分してしまうのですが、この競売というのはバナナのたたき売りみたいなものなので大変安い価格で売られてしまいます。
できれば任意売却(要するに普通の売買)で処分したほうが高い値段で売ることが出来きます。
そういった状況において家の売却価格というのは、後の生活を立て直すためにも非常に重要です。
とにかく後のことを考えると、延滞してしまう前に、いろいろ手を考えたほうがよいのです。
まとめ
住宅ローンの支払いというのは、長い人生で予想してなかったトラブルが発生すると返済に影響が出ることがあると思います。
決しておかしなこと、恥ずかしいことではないので、早め早めにご家族、金融機関などへ相談されることが重要です。
以上ご参考になれば幸いです。
ありがとうございました。