修二会(しゅにえ)は、春を迎える仏教の年頭行事です。
東大寺の開祖である実忠(じっちゅう)が夢の中でみたという菩薩聖衆(ぼさつしょうじゅ)の悔過(けか:仏に過ちをくいること)に習ったことが始まりとも言われています。
己の罪と汚れを懺悔獅子、天下泰平、五穀豊穣、万民快楽を祈るという行事です。
旧暦の2月(今の3月)に行われることから、修二会と名付けられています。
この修二会は、全国のお寺で様々な形で行われていますが、奈良の古寺で行われるのが有名です。
中でも最も有名なのが、東大寺2月堂の「お水取り」の名で知られている修二会で、1250年以上の昔から一度も欠かさず行われているそうで、東大寺がある限り続けられる「不退の行法」として伝えられているのです。
なぜ東大寺の修二会をお水取りというの?
「お水取りが終われば春が来る」と言われているように東大寺最大の法要が、「お水取り」です。
東大寺のお水取り(=修二会)は、3月1日~14日にかけて行われます。
暗い回廊を炎が駆け抜けるお松明と、最終日前日の真夜中に行われる、水をくむお水取りが有名ですね。
お水取りは、13日目の未明に行われます。
このお水取りが、東大寺の修二会の代名詞のようになっているのです。
修二会というのは、14日にわたって行われる仏教上の行法なのですが、一般的にはこの最終日間近に行われる「お水取り」が有名になって、東大寺の修二会のことを「お水取り」というようになってるんですね。
東大寺のお水取りのお松明とは?
期間中は、毎日お松明が行われるのですが、一番大きなお松明が12日目に行われる「籠松明」(かごたいまつ)で、よくテレビなんかでも映像が流れますよね。
12日の夕方から畿内の信者が奉納した12本の籠松明を修行僧が担ぎ、100段ほどの石段を駆け上がって2月堂の回廊で大きく振り回します。飛び散る火の粉を浴びると災厄がはらわれると言われており多くの参拝者がこの火の粉を浴びるため訪れ無病息災を祈るのです。
東大寺の修二会 お水送りの儀式とは?
この東大寺のお水取りに用いられる香水の水源は、若狭の国(福井県)神宮寺の鵜の瀬の水で、これが地下水となって東大寺の若狭井に湧き出ると言われています。
東大寺のお水取りに先駆けて、福井県小浜氏の神宮寺では、3月2日に「お水送り」の儀式が行われるのです。
お水送りの儀式では、身を清めた僧侶が掛け声とともに、松明を振り回した後、住職が送水文を読み上げ香水が川に流されます。この香水が、10日後に東大寺のお水取りでくみ上げられるという、儀式なのです。
東大寺の修二会 お水取りの日程は?
東大寺の練行衆や童子など、実際の修業を行われる僧侶の方たちは様々な行を行っていますが、一般の人が目にすることが出来るのは、お松明とお水取りの行になります。
・通常のお松明
3月1日~3月11日と3月13日は毎日19時から(20分程度)
3月14日は18時半から(10分程度)
・大きな松明が用いられる「籠松明」
3月12日の19時半から(45分程度)
・お水取り
3月13日の午前1時半ころから
まとめ
春を告げる行事の東大寺の修二会「お水取り」。
お水取りの儀式は、夜中の行事ですが、大変な人出で混雑します。
真夜中の行事ですので、寒さ対策とかも万全にしていかれた方がよいですね。
以上ご参考になれば幸いです。
ありがとうございました。