水泳は水の抵抗が大きく運動強度の高いスポーツというイメージがありますよね。
同じ時間他の運動をやるのと比べると水泳は、カロリーを多く消費するので痩せやすい、ダイエットに向いてる、とよく言われているのを聞きます。
ただし、一方では、水泳をやってるけど痩せない!
という声もよく聞きますし、実際プールに行くと必ずしも泳いでる人みんながスリムという訳でもありません。
どちらがホントなんでしょうか?
今回は、水泳によるカロリー消費量などについて少し確認してみたいと思います。
水泳のカロリー消費はどのくらいなの?
人の一日の消費カロリー
まず、そもそも普通に生活してる場合、人の一日の消費カロリーってどのくらいかご存知でしょうか?
人は、ただ生きてるだけ(何もしないで横になってる状態)でもカロリーを消費します。この何もしない状態で消費するカロリーが基礎代謝と呼ばれる部分です。
この基礎代謝は、年齢と体重によって異なりますが、30代から40代で、体重70キロ前後だと1500キロカロリーくらいになります。
この基礎代謝に、普段の生活の活動レベルによって、掛け目をかけて算出したのが一日のカロリー消費である、という考え方で計算されます。
一般的な人の生活は、活動レベルがⅡのカテゴリーに入ることが多くなります。
カテゴリーⅡの掛け目は1.75です。
そうすると、1500×1.75=2600キロカロリー前後、というのが40代男性、体重70キロ前後の一般的な人の一日のカロリー消費量、ということになります。
詳しくはこちらに載ってます。⇒https://www.med.or.jp/forest/health/eat/01.html
ちなみに上記の基礎代謝の計算は、体重一キログラムあたりの代謝量×体重という計算になっていて、上記リンクのページの表を見ると、体重一キログラム当たりの代謝量が年齢とともに落ちていくのが分かると思います。だから、若いうちは痩せやすいんですね~^^。
運動をやったときのカロリー消費の計算方法は?
一方で、運動をした時のカロリー消費量の計算は、METsという基準値を使うことで算出されています。
METsは国立栄養研究所という機関が公表しているカロリー計算のための基準値です。
計算方法は、
消費カロリー(kcal)=METs×運動する時間(時間)×体重(kg)×1.05
です。
このMETsは、かなり細かく分類されていて例えば、「歩く」、というのは「歩行」という分類になりますが、色々な場面での歩行が記載されています。
普通の散歩程度の時速4キロくらいの「歩行」のMETsは、「3」になります。
そのため、体重70キロの人が散歩くらい時速4キロのウォーキングを一時間行ったときの消費カロリーは、
3(METs)×1(時間)×70(キロ)×1.05=220キロカロリーということになります。
1時間歩き続けて、ご飯御茶碗一杯分くらいのカロリー消費、ということなりますね^^;
METsに関して詳しい表はこちらになります。この表、いろんなスポーツが載ってて面白いですよ^^
⇒改訂版「身体活動のメッツ表」に対応した体重別エネルギー消費量の早見表
水泳(クロール)のカロリー消費量を計算
というわけで!
このMETsを使って、体重70キロ(私と同じくらい)、という前提で水泳(クロール)のカロリー消費量を計算してみます。
①普通のクロール(50メートルを1分前後で泳ぐスピード)は、METsが「8.3」とされていますので、
8.3(METs)×1(時間)×70(キロ)×1.05=610キロカロリーということになります。
②ゆっくりのクロール(のんびり泳ぐ)は、METsが「6」とされていますので、
6(METs)×1(時間)×70(キロ)×1.05=441キロカロリーということになります。
ちなみに、上記の①普通のクロール、と言ってるレベルですが、このスピードだと、1時間で25メートルプールを60往復(3キロ)くらい泳ぐペースになりまして、これは、普通といいながら結構速いペースです。
私の今のレベルとしては、50分で35往復できるかどうかくらいなので、ゆっくりのクロールの部類になってしまうはずです(自分ではのんびり泳いでるつもりはないですが^^)。
そうすると1時間当たり441キロカロリー前後の消費量、ということなんでしょうか。うーん、イメージしてたよりはカロリー消費が少ないですね。。。^^;
ただ、他のスポーツのMETsが大抵4~5くらいなのと比べると、水泳はちょっと比較的手軽に高い運動強度を得ることが出来るスポーツです。
平泳ぎ、背泳ぎ、は概ねクロールと大差ないくらいの数値で、バタフライだけ少し多くてクロールの1.3倍くらいです。でもバタフライで一時間泳ぎ続けるってちょっと現実的ではないですね笑
水泳は痩せるの?痩せないの?
上記の通り、水泳のカロリーの消費量は、実際に計算してみると意外と大きくないことが分かりますよね。巷では水泳のカロリー消費は一時間で1500キロカロリーとか、あり得ない数字を信じてる人もいるようです。
とはいえ、ウォーキングやそのほかのスポーツと比べるとゆっくり泳いでも高い数値ですので、やはり運動強度が高い、ということはいえると思います。
また、膝など関節への負担を考えると取組みやすいスポーツと言えますし、継続すればきちんと痩せることのできるダイエット効果のあるスポーツと言えます。
では、水泳をしても痩せない、という人がいたりするのは何故なのでしょうか?
水泳で痩せない理由その1 休み休み行っているケース
上記のカロリー計算は、1時間泳ぎ続けた場合の数値です。そのため、休み休み行えばその分消費するカロリーも減ってしまいます。仮に1時間プールで泳いでいても、半分の時間休んでいれば、カロリー消費も半分、ということになってしまいます。
水泳で痩せない理由その2 カロリー計算の認識を間違っている
そもそも、水泳のカロリー消費量を過大に考えていて、1時間くらいゆっくり泳いだだけで1000キロ~1500キロカロリー消費したはず、などとと考えている人の場合です。
これだと、プールに行ってるのにどうして痩せないんだろう、ということになってしまいます。
競技に参加するためのハードなトレーニングとかでない限り、一回の水泳で1000キロカロリー消費する、というのは相当頑張らないと無理な数字です。
普通にダイエット目的に通うプールで一回あたりの水泳で消費するカロリーはせいぜい500キロ~600カロリー前後、というところでしょう。
水泳で痩せない理由その3 水泳後食べ過ぎてるケース
水泳のカロリー消費量を過大に考えていると、いつも以上に食べてしまうことにつながりますよね。
ダイエットしようと本気で考えているなら、水泳をしたからと言ってその分大食いしては意味がありません。
普段と同じくらい、若しくは炭水化物を少し抑え気味にするなど工夫をしないと、せっかく運動したのに、食べ過ぎで水泳の効果がプラスマイナスゼロ、ということになってしまいます。
水泳に対する間違った認識
あと、水泳に対して間違った知識を聞いたりしたことがありますが、どれもが間違いです。
水泳は水で体を冷やすので脂肪をためやすい
水で体が冷やされてるので比較的感じにくいものの、水泳は相当の運動量なので実際にはかなり体が暖まっています。
泳いだ後すぐに水から出ると体がポカポカしてるはずです。
ですので、体が冷えることで脂肪がたまりやすくなる、というのはそもそも当てはまりません。ただし、プールに行っても休憩ばかりしているとそうなってしまうかもしれませんね。。
水泳は水に浸かってるから体が水分を吸収してしまう
皮膚から水分を吸収することはありえないため、これは完全に間違った認識です。
まとめ
水泳は継続すればダイエット効果の高い運動の一つと言えるでしょう。
水泳のカロリー消費量を正しく認識して食事にも気をつけていれば必ず効果が出てきます。
すでに始めた方やこれから始めようと考えられてる方は、是非定期的に通い、継続して長く続けて行くことを目標に取組んでいただくのが良いと思います。
以上ご参考になれば幸いです。
ありがとうございました。